乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版

【宙船(そらふね)】

5月7日の一件が原因で短大をやめたてつろうは、ゆりことリコンして自分探しの旅に出た。

てつろうにすてられたゆりこは、市役所に離婚届を出した。

それと同時に、フジグランのバイトをやめてピンサロ嬢に転職した。

結局、ゆりことてつろうの結婚生活は長続きせなんだ。

てつろうのダラクは、尾鷲市のたつろうさんの実家の家族のダラクにつながった。

時は5月9日の深夜11時過ぎのことであった。

たつろうさんの実家の大広間に、政子と優香とみつろう優香夫婦の2人の子供たちと由芽がいた。

テーブルの上には、大きめの容器にサラダが置かれていて、その周りに白いお皿とスプーンフォークがならんでいた。

晩ごはんは、優香のお手製のフォンドヴォー(仔牛肉のカレー)だったが、食べなかった。

みつろう優香夫婦の子供たち2人が友人宅に長居していたので、友人のおにいに連れて帰られたことと六郎がよその家に明け方まで長居して酒のんでいることとみつろうとたけろうが外へのみに行ってることに優香が腹を立てていた。

優香は、2人の子供たちに『おじいちゃんとおとーさんと叔父さん(父親のきょうだいは叔で表記する)がダラクしたのはあんたたちが原因なのよ!!』と怒鳴りつけた。

2人の子供たちは『由芽が味見しているからごはんがまずいのだよ!!』と優香にハンロンした。

それを聞いた由芽はハンロンしたが、政子は『だまりなさい!!』と怒鳴りつけた。

政子に怒鳴られた由芽は、ぐすんぐすんと泣いていた。

優香は、2人の子供たちに地区にいたら甘えが出るから家から出て行けと言うた。

「あんたたちの言い分はよくわかったわよ…明日の朝、お迎えが来るから…今から家を出る準備を始めなさい!!」

2人の子供たちは、優香の言うとおりにしたがって家を出る準備を始めた。

翌朝8時頃、たつろうさんの実家に2人の子供たちを迎えに来た人たちがやって来た。

2人の子供たちは、迎えの人たちと一緒に身の回り品だけを持って家を出た。

きょうだいは、埼玉と神奈川のそれぞれの寄宿学校に転校することになった。

2校とも、スポーツ強豪校の学園である。

泣きそうな表情を浮かべている政子は、だまって孫の旅立ちを見送るより他はなかった。

陰で様子を見ていたてつろうは、その場から立ち去ったあと再び旅に出た。
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