乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版
【いつでも夢を】
日本時間の午前10時半頃であった。
場所は、伊勢神宮の内宮の境内にて…
けんちゃんとてつろうは、境内にある茶店で赤福(伊勢名物)とお抹茶を頼んで休憩している。
そこから歩いて30歩先に流れる五十鈴川のそばにあるお浄め所に、参拝客のみなさまが集まっている。
2人は、ゆみさんからの頼みでマリンホールディングスの石頭のCEOからデリシャン株49パーセント分の株式を取得しようとジカダンパンを続けていたが、SPたちからボコボコにいて回されてばかりいた。
2日前に、2人は名古屋近郊にあるビール工場へ行ってCEOにジカダンパンを申し出た。
けれど、SPたちからボコボコにいて回された。
2人は苦戦を強いられていたが、2人の間に大きなギャップが生じた。
ゆりこと結婚することを目標に自分磨きに専念するけんちゃんとなまじ自分探しをするてつろう…
2人の間に生じたギャップが原因で、けんちゃんはガマンの限度を超えそうになった。
ゆみさんから支給される30万円だけが正味の収入である。
その中から、2人分の宿代を払い続けたらどないなるのか?
けんちゃんは、てつろうをめんどくさいと思うようになった。
そんなけんちゃんは、てつろうを怒鳴りつけた。
「コラ!!コラといよんのが聞こえんのか!?」
「(つらそうな声で)なんぞぉ~」
「なんぞぉじゃなかろがオドレは!?」
「(つらそうな声で)何怒ってんねん?」
「オレの身にもなれと怒っとんじゃボケ!!」
けんちゃんは、ひと間隔おいてからてつろうに言うた。
「オドレなぁ!!自分探しばあいしよるけんそななひねたツラになったんがまだ分かってへんみたいだな!!なんぞぉその目つきは!?オレをにらみつけよんか!?」
「にらみつけてないよぅ~」
けんちゃんは、てつろうに対してより激しい怒りをぶつけた。
「オレは、今でもオドレを激しくうらんでいる…オドレはオレにうらまれていることに気がついてへんみたいだな!!」
「けんちゃんは、オレにどななうらみがあるのだよぅ~」
「オドレがゆりこちゃんをドロボーしたことだ!!オレとゆりこちゃんがいた高校にオドレが教育実習に来た時に、オドレがゆりこちゃんをドロボーした…ゆりこちゃんと別れたのはオドレのせいだ!!」
「なんでオレのせいなんだよぅ~」
「いいわけばかりを言うな!!多賀てつろう!!」
「けんちゃん…」
「多賀てつろうよぉ…オドレはなんで大学院へいったんぞ!?」
「研究したいことがあるから行った…」
「理由はそれだけか?」
けんちゃんからの問いに対して、てつろうはだまりこんだ。
けんちゃんは、ますます怒った声で言うた。
「多賀てつろうよぉ、甘ったれるのもたいがいにせえよ!!単に世間に認められたいだけなんだろ!!それとも、女の子たちからソンケーされたいから大学院へ行ったのか!?それとも、ゆりこちゃんと結婚したいから大学院へ行ったのか!?」
けんちゃんからの問いに対して、てつろうは『全部当てはまる。』と答えてからこう言うた。
「オレは…逃げるためにがゆりこと結婚しようと思った。」
けんちゃんは、あきれ声でてつろうに言うた。
「やっぱりそうか…」
てつろうは、居なおった声でけんちゃんに言うた。
「逃げる方法はそれしかなかったんだよ…」
「逃げるって…」
「大学にいた時の恩師と尾鷲だよ。」
てつろうは、ひと間隔おいてからけんちゃんに理由を説明した。
「オレの研究が世に認められて表彰された…ゆりこと結婚することを決めて2人で準備していた…その時に大学の時の恩師が『いいお話しがあるけど…』と言うて、オレに中予農機に就職して、重役のメイゴと結婚してムコに入れ…』と命令した…小関(創業家)の家のムコに入ったら、一生研究できなくなる…恩師は『小関の家の人たちは多賀くんがムコ養子になったら、社長の肩書きを与えるというてるよ。』とやさしく言うた…けど、拒否した(てつろうとお見合い結婚する予定だった女性はのちにたつろうさんの嫁はんになった)」
てつろうは、お抹茶をひとくちのんでからけんちゃんに言うた。
「ほんで、オレはゆりこと結婚すると決意した…そしたら今度は実家の家族から反発が飛んだ…表彰された日の翌々日に実家のオカンが『代理シューカツで出席した市役所に就職することが決まったからUターンしなさい。』と命令された…だから…」
「それも断ったと言いたいのだろ…もうやめい…オンドレの泣き言なんぞ聞きとない…」
てつろうの言葉をさえぎったけんちゃんは、小皿に盛られている赤福をつまんで、口の中にほおばった。
てつろうは、ますますつらそうな表情を浮かべている。
近くを流れている五十鈴川のせせらぎと早すぎるセミの鳴き声が周囲に聞こえている。
場所は、伊勢神宮の内宮の境内にて…
けんちゃんとてつろうは、境内にある茶店で赤福(伊勢名物)とお抹茶を頼んで休憩している。
そこから歩いて30歩先に流れる五十鈴川のそばにあるお浄め所に、参拝客のみなさまが集まっている。
2人は、ゆみさんからの頼みでマリンホールディングスの石頭のCEOからデリシャン株49パーセント分の株式を取得しようとジカダンパンを続けていたが、SPたちからボコボコにいて回されてばかりいた。
2日前に、2人は名古屋近郊にあるビール工場へ行ってCEOにジカダンパンを申し出た。
けれど、SPたちからボコボコにいて回された。
2人は苦戦を強いられていたが、2人の間に大きなギャップが生じた。
ゆりこと結婚することを目標に自分磨きに専念するけんちゃんとなまじ自分探しをするてつろう…
2人の間に生じたギャップが原因で、けんちゃんはガマンの限度を超えそうになった。
ゆみさんから支給される30万円だけが正味の収入である。
その中から、2人分の宿代を払い続けたらどないなるのか?
けんちゃんは、てつろうをめんどくさいと思うようになった。
そんなけんちゃんは、てつろうを怒鳴りつけた。
「コラ!!コラといよんのが聞こえんのか!?」
「(つらそうな声で)なんぞぉ~」
「なんぞぉじゃなかろがオドレは!?」
「(つらそうな声で)何怒ってんねん?」
「オレの身にもなれと怒っとんじゃボケ!!」
けんちゃんは、ひと間隔おいてからてつろうに言うた。
「オドレなぁ!!自分探しばあいしよるけんそななひねたツラになったんがまだ分かってへんみたいだな!!なんぞぉその目つきは!?オレをにらみつけよんか!?」
「にらみつけてないよぅ~」
けんちゃんは、てつろうに対してより激しい怒りをぶつけた。
「オレは、今でもオドレを激しくうらんでいる…オドレはオレにうらまれていることに気がついてへんみたいだな!!」
「けんちゃんは、オレにどななうらみがあるのだよぅ~」
「オドレがゆりこちゃんをドロボーしたことだ!!オレとゆりこちゃんがいた高校にオドレが教育実習に来た時に、オドレがゆりこちゃんをドロボーした…ゆりこちゃんと別れたのはオドレのせいだ!!」
「なんでオレのせいなんだよぅ~」
「いいわけばかりを言うな!!多賀てつろう!!」
「けんちゃん…」
「多賀てつろうよぉ…オドレはなんで大学院へいったんぞ!?」
「研究したいことがあるから行った…」
「理由はそれだけか?」
けんちゃんからの問いに対して、てつろうはだまりこんだ。
けんちゃんは、ますます怒った声で言うた。
「多賀てつろうよぉ、甘ったれるのもたいがいにせえよ!!単に世間に認められたいだけなんだろ!!それとも、女の子たちからソンケーされたいから大学院へ行ったのか!?それとも、ゆりこちゃんと結婚したいから大学院へ行ったのか!?」
けんちゃんからの問いに対して、てつろうは『全部当てはまる。』と答えてからこう言うた。
「オレは…逃げるためにがゆりこと結婚しようと思った。」
けんちゃんは、あきれ声でてつろうに言うた。
「やっぱりそうか…」
てつろうは、居なおった声でけんちゃんに言うた。
「逃げる方法はそれしかなかったんだよ…」
「逃げるって…」
「大学にいた時の恩師と尾鷲だよ。」
てつろうは、ひと間隔おいてからけんちゃんに理由を説明した。
「オレの研究が世に認められて表彰された…ゆりこと結婚することを決めて2人で準備していた…その時に大学の時の恩師が『いいお話しがあるけど…』と言うて、オレに中予農機に就職して、重役のメイゴと結婚してムコに入れ…』と命令した…小関(創業家)の家のムコに入ったら、一生研究できなくなる…恩師は『小関の家の人たちは多賀くんがムコ養子になったら、社長の肩書きを与えるというてるよ。』とやさしく言うた…けど、拒否した(てつろうとお見合い結婚する予定だった女性はのちにたつろうさんの嫁はんになった)」
てつろうは、お抹茶をひとくちのんでからけんちゃんに言うた。
「ほんで、オレはゆりこと結婚すると決意した…そしたら今度は実家の家族から反発が飛んだ…表彰された日の翌々日に実家のオカンが『代理シューカツで出席した市役所に就職することが決まったからUターンしなさい。』と命令された…だから…」
「それも断ったと言いたいのだろ…もうやめい…オンドレの泣き言なんぞ聞きとない…」
てつろうの言葉をさえぎったけんちゃんは、小皿に盛られている赤福をつまんで、口の中にほおばった。
てつろうは、ますますつらそうな表情を浮かべている。
近くを流れている五十鈴川のせせらぎと早すぎるセミの鳴き声が周囲に聞こえている。