乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版

【異邦人】

さて、その頃であった。

尾鷲市のたつろうさんの実家で、またくだらんもめ事が発生した。

…って言うか、イワマツグループ全メンバーたちには関係ないのですけどぉ~…と言いたいねん(ブツブツ…)

(ギーッ!!)

この時、イトの知人の男の子がキセイをあげた。

家中にキセイが響いたけん、六郎がブチ切れた。

「やかんしー!!外へ出えや!!」

分かったよぅ~

つらそうな表情を浮かべているイトは、男の子を連れて外へ出た。

(パシーン!!)

六郎は、イトが5歳の男の子を連れて家を出たのを確認したあと、玄関の戸を激しくしめた。

この時、大広間に政子と日奈子と日奈子の両親となさけないツラしとる男(35歳)がいた。

なさけないツラしとる男は、日奈子のハツコイの人である。

六郎がブツブツ言いながら大広間にもんてきた。

日奈子の母親は、つらそうな声で六郎に言うた。

「おとーさま、そないにイライラしよったらこのコ(日奈子のハツコイの男性)がおびえるわよぅ~」
「やかんしー!!だまれ!!イトの友人の子なんかしらんわ!!そななことよりも、オンドレらはわしらがなんで怒っとんかが分かってへんみたいだな!!」
「あなたやめて!!」

政子は必死になって六郎をなだめているけど、六郎の怒りは強まる一方であった。

六郎がブチキレた原因は、日奈子のハツコイの男性の態度と両親の自分勝手が原因である。

日奈子の両親は、次女夫婦の家でローゴの楽しみを送っていたけど、ムコはんが会社から大熊(福島県浜通り地方)の取り引き先の会社へ出向を命ぜられたので、そうも行かなくなった。

孫たちは『パパとママと一緒に行く…』と日奈子の両親に言うた。

日奈子の両親は『ゲンパツがこわい。』と言うて次女夫婦の家族と一緒に行くことをやめた。

(…って言うか、あの時ゴーテー売ったけん大損したんじゃないのぉ~)

日奈子のハツコイの男性は『ぼくは、日奈子ちゃんじゃないと結婚できん…』と言うて、独身を貫いている。

日奈子の両親は『結婚相手を選び違えたけん、(ハツコイの男性)くんのためにてつろうさんに日奈子と別れるように言うてくれぇ~』と政子六郎夫婦に言うた。

日奈子のハツコイの男性が『日奈子ちゃんをくれ…』と政子六郎夫婦に言うた。

それが原因で、六郎がブチキレを起こした。

「オンドレら!!いて回したろか!?」
「おとーさま、おちついてーな…」

日奈子の父親は、話せば分かると六郎に言うたけど、怒り狂った六郎は日奈子の両親に手当たり次第にものを投げつけて攻撃した。

その後、六郎はキセイをあげながら外へ出て行った。

そして…

(ガチャーン!!ギャーッ!!)

六郎は、キンリンの家々に上がり込んで手当たり次第暴れ回って壊しまくった。

(ガツーン!!)

ブチキレを起こした政子は、固い物で日奈子のハツコイの男性の頭を殴りつけた。

「あんたのせいよ!!あんたのせいでてつろうが市役所をやめたのよ!!どないしてくれるねん!!だーっとらんとなんとか言いなさいよ!!」
「すみません…すみません…」

日奈子のハツコイの男性は、反撃することができずに政子に殴られていた。

日奈子の両親は、政子が恐いので止めることができなかった。

「くすんくすんくすん…」

政子六郎夫婦からバトウされた日奈子は、その場に座り込んでくすんくすんと泣き出した。

日奈子のひざ元から、大量の液体があふれ出た。

日奈子がもらした液体は、たたみ一帯に広まった。

時は、深夜11時40分頃であった。

ところ変わって、宍喰浦(徳島県海陽町)の竹ヶ島にて…

英彦とお見合いして結婚する予定だったゆりこは、尾鷲市から家出した。

その後、徳島のホストクラブで出会った売り上げナンバーワンホストとドーセーしていた。

ゆりこは、カレと結婚してやり直そうと決めたのに、カレが60代後半の富豪の人妻と浮気していた現場を目撃したので怒り心頭になった。

ゆりこは、カレに別れを切り出した。

ゆりこから別れを切り出されたカレは、女々しい声で『イヤだイヤだ…』と言うてダダこねた。

それが原因で、チワゲンカに発展した。

「ゆりこは、あんたみたいな浮気もんと結婚するんはイヤやけん別れるといよんよ!!なんでキョヒすんのよ!?」
「ゆりこ…オレはゆりこと結婚したいねん…なあこの通りだ…考え直してくれぇ~」
「はぐいたらしいわね!!ゆりこはあんたのことを一生うらみ通すけん!!」
「困るねん…なあ、ゆりこ…」
「イヤ!!やめて…やめてー」

カレは、ゆりこを倒して身体を押さえ付けた。

「やめてー、離して!!」
「(女々しい声で泣きもって言う)ゆりこ~結婚してくれぇ~結婚してくれぇ~」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

(ビリビリビリビリ!!)

カレは、ゆりこが着ていた白のブラウスを思い切り破いた。

破れたブラウスの中から、白の貝殻の形の細いストラップのブラジャーがあらわになった。

「やめてー!!」
「(女々しい声で泣きもって言う)結婚してくれぇ~」

カレは、ゆりこが着ていたクリーム色のスカートを脱がした。

ブラと同じ形のショーツがあらわになった。

「やめてー!!」

(ドカッ)

ゆりこは、右足でカレのベンケイを激しくけつったあと、起きあがって逃げ出した。

(ドドーン!!)

ところ変わって、岸壁にて…

この時、海は大荒れで高波が打ち付けていた。

波の高さは10メートル近くで、南寄りに50ノット(風速25メートル・瞬間的に40メートル)に相当する暴風が沖合で吹き荒れていた。

下着姿のゆりこは、カレに追いかけられていた。

しかし、岸壁でカレに身体を押さえ付けられた。

「イヤ!!離して!!」
「ゆりこ…別れるのはイヤや!!」
「離して!!離して!!」
「ゆりこ…この通り…」
「あんたみたいな浮気もんとは結婚したくないわよ!!」
「イヤや!!イヤや!!」
「ゆりこがイヤやといよるけん、あきらめなさいよ!!」
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

(ドボーン!!ブクブクブクブクブクブクブクブクブクブク!!)

ゆりことカレは、荒波の海に堕ちて沈んだあと、どこかへ流されて行方不明になった。
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