乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版
【ダンシング・オールナイト】
話しは、その翌日の午後3時過ぎのことであった。
場所は、芦田川(広島県福山市)の河川敷の公園にて…
(ゴー!!…ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
山陽新幹線とJR山陽本線の車両が、それぞれの橋梁を同時に通過した。
てつろうを置いて逃げてきたけんちゃんは、福山駅のキオスクでこうたサンドイッチでランチを摂っていた。
そこへ、てつろうがつらそうな表情でけんちゃんのもとへやってきた。
「なんや!!またオンドレか!!」
けんちゃんは、つらそうな表情を浮かべているてつろうを怒鳴りつけた。
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、うまく言葉が言えないので困っている。
けんちゃんは、コンワクしているてつろうを怒鳴りつけた。
「コラ!!コラといよんのが聞こえんのか!?」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、つらそうな声でけんちゃんに言うた。
「食べさせてくれぇ…」
「はぐいたらしいのぉ…オラ!!」
けんちゃんは、キオスクのビニール袋に入っているサンドイッチ二つをてつろうに投げつけた。
てつろうは、けんちゃんから受け取ったサンドイッチをガツガツ食べていた。
けんちゃんは、てつろうを怒鳴りつけた。
「オンドレは甘やかされて育ったけん、生きるすべがないんよ…オンドレの実家の家族がドアホだからオンドレもドアホや…コラワレ!!だーっとらんとなんぞものいわんかいボケ!!」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、ハンロンすることなく『その通りです。』と答えた。
けんちゃんは、なおもてつろうに怒った口調で言うた。
「オンドレは、せっかく就職した市役所をほかしたみたいやのぉ…なんであななもったいないことしたんぞ!?」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、つらそうな声で『せやかて…』と言うた。
けんちゃんは、てつろうに対して『はっきりものいわんかい!!』と怒鳴りつけた。
「せやかてなんじゃあ言いたいねん!!はっきりものいわんかいボケ!!」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、どう答えればよいのか分からずにコンワクしていた。
けんちゃんは、てつろうにこう言うた。
「要するにあれだろ…近安優(きんあんゆう)…それがいかんけん、市役所をほかしたんやろ!?」
近安優(きんあんゆう)…
家の近くにある職場だから、親が安心する…
優しい人たちばかりいるから、大丈夫…
…と言う意味である。
『大都市の大学を卒業したあと、生まれ故郷にUターンして、生まれ故郷で就職するなんて親の一方的な満足だ!!』と言うことをてつろうはけんちゃんに言おうとしていたが、いえなんだ。
けんちゃんは、再びてつろうのメンドーをみるハメになった。
翌日(10月30日)の正午過ぎのことであった。
ところ変わって、名古屋大須の赤門通りにある味噌煮込みうどんのうまい料亭にて…
料亭の10畳の奥座敷に、政子六郎夫婦と日奈子と日奈子の両親と尾越(おこえ)の家の家族4人とゆりこと仲人さん夫婦12人が集まっていた。
テーブルの上には、懐石料理とアルコール類が並んでいる。
尾越の家は、政子の3番目の兄・元史(もとふみ)がムコ養子に行った家である。
たつろうさんのうんと遠い親せきの家でもある。
席にいる4人は、元史と妻(政子の義姉)の美代子と長男・麗彦(かずひこ・39歳・一流企業の管理職)と次男・元彦(37歳・工場従業員)である。
政子は、日奈子のハツコイの男性を尾越の本家(岐阜県南東部のドイナカにある地主の家)の超ワガママひとり娘と結婚してムコ養子に行かせるために激しい力で日奈子と別れさせた。
ゆりこも、政子六郎夫婦の手でてつろうと別れさせられた。
日奈子は麗彦と、ゆりこは元彦とそれぞれお見合いして、強制的に結婚することになった。
お見合い開始早々、座敷の雰囲気がどす黒く淀んでいた。
麗彦が、鋭い目つきで日奈子をイカクした。
となりにいた美代子は、おたついた声で麗彦に言うた。
「(おたついた声で言う)麗彦…」
「なんや!!」
「(おたついた声で言う)そななおとろしい顔せんといて…日奈子さんが恐がっているわよ…」
「そんなん知るか!!オレは1時から会議に出席する予定なんだぞ!!」
美代子は、おたついた声で仲人さんに言うた。
「すみません…麗彦は…1時から会議に出席しなければならないのです…あの~…すみませんけど、今日は中止にしてください。」
それを聞いた仲人の奥さまは、ヘラヘラした表情で言うた。
「(ヘラヘラ嗤い(わらい)ながら言う)ごめんね…会議の予定が入っていることを確かめずにセッティングしてもうたわ~…せやったら、会社に電話しておきましょうか?」
仲人の奥さまは、会社に電話して麗彦の代わりに出席できる人にお願いしましょうかと言うたけど、美代子は気乗りせえへん声で言うた。
「麗彦は、大事な役割があるのです!!代わりを立てることができないのです!!」
「どうして?うちは会社の人に電話してお願いするのよ。」
「ゆっくりしとる場合じゃないのよ!!あと30分したら会社へ帰らないといかんのよ!!」
「それだったら、味噌煮込みうどんだけでも食べたら?お店の人に頼むけん…」
「味噌煮込みうどんができるまでにどれくらいかかると思っているのよ!!」
「(ますます困った声で)それじゃあ、どうするのよぉ…お腹がすいたまま会議に出席するのぉ?」
「会議に遅れたら、お給料減らされるのよ!!」
「だけど、お腹がすいた状態で会議に出席するのは、もっとよくないわよ。」
美代子と仲人さんの奥さまが、ああでもないこーでもないとおしあいへし合いをしている時であった。
元彦が席から立ち上がったあと、仲人夫婦に工場へ戻ると言うた。
「すんまへん…工場へ戻っていいですか?」
「(小首をかしげながら言う)えっ?元彦さんも出るのですか?」
「あの~、午後から箱詰めの仕事がぎょーさんおますねん…」
「(ヘラヘラ嗤いながらいう)ああ、ごめんなさい~元彦さんも、大事なお仕事があったのね…それだったら工場に電話しとこか?」
「あの~…オレ、気持ちが変わりました。」
「気持ちが変わったって…」
「やっぱり、自分の嫁はんは自分ひとりだけの力で探します。」
「元彦さん…無理よ…」
「お見合いしたら、ダメになるけんお断りします…ほな…」
(ピシャッ!!)
お座敷から出た元彦は、激しい力を込めてふすまをピシャッとしめた。
麗彦は、元彦の数倍の力を込めてふすまをピシャッとしめて座敷から出ていった。
イカクされた政子六郎夫婦と美代子元史夫婦と日奈子の両親と仲人さん夫婦は、ひどくおたついた。
日奈子は、恐怖のあまりに大量の液体をもらした。
このあと、ゆりこは仲人さん夫婦の男性のはげ頭をハンドバッグで殴りつけて、お座敷から出た。
ゆりこは、麗彦元彦きょうだいの100倍の力を込めてふすまをピシャッとしめた。
どないしょー…
どないしたらええねん…
政子六郎夫婦と美代子元史夫婦と日奈子の両親と仲人さん夫婦は、ひどくおたついた。
場所は、芦田川(広島県福山市)の河川敷の公園にて…
(ゴー!!…ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
山陽新幹線とJR山陽本線の車両が、それぞれの橋梁を同時に通過した。
てつろうを置いて逃げてきたけんちゃんは、福山駅のキオスクでこうたサンドイッチでランチを摂っていた。
そこへ、てつろうがつらそうな表情でけんちゃんのもとへやってきた。
「なんや!!またオンドレか!!」
けんちゃんは、つらそうな表情を浮かべているてつろうを怒鳴りつけた。
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、うまく言葉が言えないので困っている。
けんちゃんは、コンワクしているてつろうを怒鳴りつけた。
「コラ!!コラといよんのが聞こえんのか!?」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、つらそうな声でけんちゃんに言うた。
「食べさせてくれぇ…」
「はぐいたらしいのぉ…オラ!!」
けんちゃんは、キオスクのビニール袋に入っているサンドイッチ二つをてつろうに投げつけた。
てつろうは、けんちゃんから受け取ったサンドイッチをガツガツ食べていた。
けんちゃんは、てつろうを怒鳴りつけた。
「オンドレは甘やかされて育ったけん、生きるすべがないんよ…オンドレの実家の家族がドアホだからオンドレもドアホや…コラワレ!!だーっとらんとなんぞものいわんかいボケ!!」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、ハンロンすることなく『その通りです。』と答えた。
けんちゃんは、なおもてつろうに怒った口調で言うた。
「オンドレは、せっかく就職した市役所をほかしたみたいやのぉ…なんであななもったいないことしたんぞ!?」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、つらそうな声で『せやかて…』と言うた。
けんちゃんは、てつろうに対して『はっきりものいわんかい!!』と怒鳴りつけた。
「せやかてなんじゃあ言いたいねん!!はっきりものいわんかいボケ!!」
けんちゃんに怒鳴られたてつろうは、どう答えればよいのか分からずにコンワクしていた。
けんちゃんは、てつろうにこう言うた。
「要するにあれだろ…近安優(きんあんゆう)…それがいかんけん、市役所をほかしたんやろ!?」
近安優(きんあんゆう)…
家の近くにある職場だから、親が安心する…
優しい人たちばかりいるから、大丈夫…
…と言う意味である。
『大都市の大学を卒業したあと、生まれ故郷にUターンして、生まれ故郷で就職するなんて親の一方的な満足だ!!』と言うことをてつろうはけんちゃんに言おうとしていたが、いえなんだ。
けんちゃんは、再びてつろうのメンドーをみるハメになった。
翌日(10月30日)の正午過ぎのことであった。
ところ変わって、名古屋大須の赤門通りにある味噌煮込みうどんのうまい料亭にて…
料亭の10畳の奥座敷に、政子六郎夫婦と日奈子と日奈子の両親と尾越(おこえ)の家の家族4人とゆりこと仲人さん夫婦12人が集まっていた。
テーブルの上には、懐石料理とアルコール類が並んでいる。
尾越の家は、政子の3番目の兄・元史(もとふみ)がムコ養子に行った家である。
たつろうさんのうんと遠い親せきの家でもある。
席にいる4人は、元史と妻(政子の義姉)の美代子と長男・麗彦(かずひこ・39歳・一流企業の管理職)と次男・元彦(37歳・工場従業員)である。
政子は、日奈子のハツコイの男性を尾越の本家(岐阜県南東部のドイナカにある地主の家)の超ワガママひとり娘と結婚してムコ養子に行かせるために激しい力で日奈子と別れさせた。
ゆりこも、政子六郎夫婦の手でてつろうと別れさせられた。
日奈子は麗彦と、ゆりこは元彦とそれぞれお見合いして、強制的に結婚することになった。
お見合い開始早々、座敷の雰囲気がどす黒く淀んでいた。
麗彦が、鋭い目つきで日奈子をイカクした。
となりにいた美代子は、おたついた声で麗彦に言うた。
「(おたついた声で言う)麗彦…」
「なんや!!」
「(おたついた声で言う)そななおとろしい顔せんといて…日奈子さんが恐がっているわよ…」
「そんなん知るか!!オレは1時から会議に出席する予定なんだぞ!!」
美代子は、おたついた声で仲人さんに言うた。
「すみません…麗彦は…1時から会議に出席しなければならないのです…あの~…すみませんけど、今日は中止にしてください。」
それを聞いた仲人の奥さまは、ヘラヘラした表情で言うた。
「(ヘラヘラ嗤い(わらい)ながら言う)ごめんね…会議の予定が入っていることを確かめずにセッティングしてもうたわ~…せやったら、会社に電話しておきましょうか?」
仲人の奥さまは、会社に電話して麗彦の代わりに出席できる人にお願いしましょうかと言うたけど、美代子は気乗りせえへん声で言うた。
「麗彦は、大事な役割があるのです!!代わりを立てることができないのです!!」
「どうして?うちは会社の人に電話してお願いするのよ。」
「ゆっくりしとる場合じゃないのよ!!あと30分したら会社へ帰らないといかんのよ!!」
「それだったら、味噌煮込みうどんだけでも食べたら?お店の人に頼むけん…」
「味噌煮込みうどんができるまでにどれくらいかかると思っているのよ!!」
「(ますます困った声で)それじゃあ、どうするのよぉ…お腹がすいたまま会議に出席するのぉ?」
「会議に遅れたら、お給料減らされるのよ!!」
「だけど、お腹がすいた状態で会議に出席するのは、もっとよくないわよ。」
美代子と仲人さんの奥さまが、ああでもないこーでもないとおしあいへし合いをしている時であった。
元彦が席から立ち上がったあと、仲人夫婦に工場へ戻ると言うた。
「すんまへん…工場へ戻っていいですか?」
「(小首をかしげながら言う)えっ?元彦さんも出るのですか?」
「あの~、午後から箱詰めの仕事がぎょーさんおますねん…」
「(ヘラヘラ嗤いながらいう)ああ、ごめんなさい~元彦さんも、大事なお仕事があったのね…それだったら工場に電話しとこか?」
「あの~…オレ、気持ちが変わりました。」
「気持ちが変わったって…」
「やっぱり、自分の嫁はんは自分ひとりだけの力で探します。」
「元彦さん…無理よ…」
「お見合いしたら、ダメになるけんお断りします…ほな…」
(ピシャッ!!)
お座敷から出た元彦は、激しい力を込めてふすまをピシャッとしめた。
麗彦は、元彦の数倍の力を込めてふすまをピシャッとしめて座敷から出ていった。
イカクされた政子六郎夫婦と美代子元史夫婦と日奈子の両親と仲人さん夫婦は、ひどくおたついた。
日奈子は、恐怖のあまりに大量の液体をもらした。
このあと、ゆりこは仲人さん夫婦の男性のはげ頭をハンドバッグで殴りつけて、お座敷から出た。
ゆりこは、麗彦元彦きょうだいの100倍の力を込めてふすまをピシャッとしめた。
どないしょー…
どないしたらええねん…
政子六郎夫婦と美代子元史夫婦と日奈子の両親と仲人さん夫婦は、ひどくおたついた。