わらわないでほしいよ
「美穂は、すごいね。ちゃんと彼氏に好きを伝えられるなんて」
美穂が羨ましい。
そんなに彼氏とラブラブでいられて、お互いに好きということを伝えられるなんて。
それに比べて、わたしも彼もいつも手の繋ぎ方がぎこちない。
「晶も、勇気出してみなよ! 恋人に好きって言われて喜ばない人なんているわけないよ」
美穂は、そう言いながらわたしの肩をぽんと叩いた。
「……勇気かぁ」
「大丈夫、晶ならできる!」
美穂は、またわたしの肩をぽんと軽く叩いた。
「……彼氏と次会うのいつ?」
「今週の土曜日」
「じゃあ、その時がチャンスとして言ってみな!」
「……うん」
美穂の熱い応援に、わたしは頷くしかなかった。