roadside stone love
そう束と談笑していると担任の先生が「静かに」と空気を制した。

「これからSHRを始めます。日直?」

先生がそう言うと、今日の日直らしき生徒が前に出た。

「きりーつ、れーい、ちゃくせーき」

その生徒の号令にクラスメイトが従う。なんとも気だるげでスッキリしない号令だなと思った。



SHRも終わり、各々が自分のしたいことをしだした。ある生徒は勉強をし、ある生徒は楽しそうに会話をし、ある生徒は先生に呼び出され―って、初日から問題起こすなよ。
呆れながら自分の席で本を読もうとしたら、束が声をかけてきた。

「おすおす」

「よーっす」

ふざけながらお互いに敬礼のポーズをする。すると「そういえば」と束がおもむろに口を開く。

「係、何するかもう決めた?」

そういえば今日の一校時は係決めだったか。頭の片隅にもなかった。

「決めてない。束は?」

「決めてない」

決めてないんかいと心の中でツッコミながら、笑う。
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