roadside stone love
周りの子は同性同士なのに......という理不尽な愚痴を心の中で吐いていると、先生が「では」と話し始める。

「同じ係同士 、係カードを制作してください」

え、まじですか。
俺、上手くやれる気がしません本当に。

先生はみんなの親睦を深めるために上手いことやったつもりなのかもしれないが......いや先生、俺にとっては迷惑極まりないですよ。

そんな俺の心は知らないと言うように、相手の男子は椅子を持ってこちらへやって来た。俺が行くべきだったか......?と煩悩を抱えながらも、愛想笑いで迎えた。

「どうも」

「ど、どうも......」

たどたどしく返事を返し、相手が俺の目の前に向かい合うようにして座る。――そこからは、しばらく沈黙が続いた。

「「あの」」

相手もこの空気が嫌だったのか、俺と同時に口を開いた。

「どうぞお先に」

「いやいや!そっちからで!」

「ふっ」

譲ろうとしてくれた相手に必死で譲り返そうとすると、相手の男子が小さく笑った。その笑顔で、なぜかきゅっと心臓が掴まれるような感覚になった。

「面白い人だね」

彼はそう言う。


そのキラキラと輝くような突然の彼の笑顔。

その笑顔に、俺は――――。
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