roadside stone love

第1話 「衝撃」

駄目だ、どうしてだ、何でだ。
2時間目以降の授業は上の空で、俺はずっと頭を抱えていた。
何をそんなに悩んでいるのか、俺にもわからない。

あの後は俺が一方的にギクシャクしながら、なんとか係カードを作り終えた。

ただ確実なのは、あの笑顔。

同じ係の〃吉川 麗〃という、中性的な顔立ちの男子の、輝くような、静かに咲く花のような笑った顔が、頭から離れないのだ。

「くそ......なんでだよ......」

考えないように、考えないように――そうしていると、益々考えてしまう。
別に考えているのは不快ではない。むしろ心地がいい。
ではなぜこんなに悩んでいるのか。わからない......そう自問自答を繰り返す。

気づけば吉川を目で追ってしまうし、その仕草一つ一つに謎の女子らしさを感じてしまい、目が離せなくなる。こんな経験は今まで1度もなかったのに――。