Seven...YUKI


「あいつに初めて会ったとき、
男の俺も見とれるくらい
かっこいい人だなって思って。
そんなあいつに駆け寄る山村。
あいつのそばにいる山村は
いつも可愛くて…いい笑顔で。
でも…俺といるときは
山村はすっごく淋しそうなんだ」



「あの…高嶋」



「あいつは大人だしかっこいいから
恋だって慣れてるし女の扱いだって
慣れてるって思うと…あせるんだよ」



「…光輝は…慣れてないと思うよ」



「え?」



「光輝はかっこいいけど…
あの年になっても付き合った人は
たったの1人だし…」



たった1人。



すごく愛した人。



かっこよくて優しくて。



いかにもモテそうな光輝の初めての彼女。



「いくら大人になったって
慣れる人なんていないと思う」



そんなの逃げてるだけだし…。



そんな人…あたしは好きじゃない。



「好きな人に余裕なんて無い。
それって当たり前だって思う。
それに…好きな人に余裕な人なんて
本気でその人のこと愛せないと思う」



あたしは高嶋の目を見ながら言った。



「…山村…俺」


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