Seven...YUKI

側にいる人



夜になると少し風が冷たい10月。



モデルになりたいとは思ったものの…。



いざなるって言ったらまだ自信が無くて、
光輝と一緒にスタジオに見学に行っても
モデルの人達に圧倒されて
同じことをあたしもするんだって思ったら
足がすくんじゃう…。



どうしてもなりたいってものでも無いから
そう思うのかもしれない。



本当にやりたいならきっと、
どんなことがあっても出来るはず。



こんな気持ちのままモデルをやっても
迷惑をかけるだけじゃないのかなって
最近思ってきた。



けどそんな気持ちとは反対に
スタジオに行くたびに
光輝のカメラの練習モデルに使われる。



渡部さんって言うプロカメラマンさんに
光輝が指導してもらうためだから
仕方ないし断れない。



断る理由だって無いんだけど…。



…染まっていく気がして。



練習モデルだとしてもモデルの世界に
染まっていく自分がいる…。



それは…はっきりと気持ちが
固まっていない今のあたしにとっては
嫌で嫌でしょうがない。



いろんな感情が混ざり合ってて
なんだかふわふわしてる。



そんないい加減な自分が嫌だ。



やる。



やらない。

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