Seven...YUKI


「スカウトから2ヶ月。
モデルでもないし関係者でもない君が
こんなに長い期間Sevenのスタジオに
出入りなんて普通はありえないんだよ?」



少し怒った口調で言われた。



「…はい…すいません」



「けど…そこまでしても
手に入れたいんだ…俺も滝も。
これがどういうことか…
そろそろ分かるべきだ」



「…けどあたし…そんなすごい人じゃ…」




「それは自分で決めることじゃないよ」



「え…」



「それよりも…雪ちゃんには
もっと大事なことがある」



大事な…こと…。



「やる気だよ」



「やる気…」



「モデルをやりたいかどうか。
この世界に入る勇気があるかどうか…」



勇気…。



光輝の言葉が頭によぎった。



芸能界のつらさ…。



渡部さんだって…何年もこの仕事を
してるんだからいろんなモデルを
見てきたはず…。



消えていった子もいるはず…。


< 306 / 591 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop