Seven...YUKI
「いいからいいから。じゃあ始めてくれ」
「…じゃあ試し撮りするから楽にして」
「りょーかいっ」
髪のチェックが終わったあたしは
髪に触れないよう敬礼をする。
パシャッ
「…よし。じゃあ本番行くぞ」
光輝のその言葉で気合を入れるあたし。
パシャッパシャッ
最初の何枚かは普通に笑ってたあたし。
でも…なんだかだんだん表情が
なくなってきたのを感じた。
ポーズをもとらなくなってただ
呆然と立っているだけ。
顔の角度を微妙に変えるだけで
まったく動かない。
あたしにも分からない。
ただ…なんとなく…。
誰かにのりうつられたみたい…。
ただカメラを…光輝を見つめるだけ。
パシャパシャ
スタジオにはカメラのシャッター音だけが
響く。