Seven...YUKI
あたしご飯作ってたんだ。
光輝の声で我にかえり野菜を切る手を
再び動かした。
「…考え事?さっきからため息ばかり
ついてるし」
そう言いながら壁にもたれて
ペットボトルのお茶を飲んだ。
「あ…うん、ちょっとね」
そう言って冷蔵庫から材料を出した。
材料を出して冷蔵庫のドアを閉めた時、
「…キス」
すぐ側にいた光輝がつぶやいた。
「え?」
「…やっぱ…するのかな…キスとか…」
「光輝?」
「……俺やだよそんなの……」
うつむいたまま壁をつたい
しゃがみこみ、
「やだよ…俺…」
頭をくしゃっとしてうつむいたまま。
あたしは手に持っていた材料を
台に置き、光輝の側にしゃがんだ。
そして、うつむいて顔をあげない光輝を
優しく抱きしめる。