Seven...YUKI
「あの…」
「どうした?」
「なんであたしのこと…愛莉って
呼ぶんですか?」
さっきからずっと気になってた。
愛莉って名前を宮さんが知っているはず
無いもん。
「どうしてですか?」
「どうして?…君は桜園の子供で本名は
桜愛莉。山村雪は偽名なんだから
本名で呼ぶのは当たり前だろ」
宮さんの言葉に固まるあたしに
かまわず側に立っている男から
資料を受け取って読み出した。
「君は中学3年の時に山村光輝…
あのSevenのカメラマンに引き取られた。
松田の事件が解決した後から。
そして名前を山村雪に変え
この約2年間、山村雪として過ごした」
「どうして…それを…」
「調べさせてもらったよ。
君を気に入ったものでね」
気に入った…?
「君を引き取ることに決めたんだ。
あの男のとこにいるより私の家に
来たほうが君もいい暮らしが出来る。
私は君を歓迎するよ」
待って…。
「今日から私の家に来てもらうよ。
君の部屋はすでに用意してある。
さぁ、行こう」
「待ってください!!
あたし宮さんの家になんか行きません!」