Seven...YUKI


「宮家って…言いました?」



「はい。宮家でございます」



「あの…だんなさまって…」



「宮家のだんなさまですよ?
宮聡さまです」



あたしに服を渡しながら笑顔で答える。



…ってことは…ここは宮さんの家?



そういえば…あたしを引き取るって…。



「早く支度を。だんなさまがお待ちです」



パジャマのボタンをはずしながら
そう言う井上さん。



「やっ…自分でできます」



井上さんの手を止め急いで服に着替えた。



何がどうなってるのか分からないあたしは
井上さんにせかされながら支度をして
部屋を出た。



橘家ほど大きくは無いけれど…
部屋を出た瞬間小さな螺旋階段。



降りると玄関があり天井には小さな
シャンデリア。



「こちらです」



にっこり微笑んだ井上さんに案内され
入った場所はダイニング。



10人ほど座れる大きな机。



そこには新聞を見ている宮さんの姿。

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