Seven...YUKI


こんな表情今のあたしには出来ない。



Sevenにうつるこの頃のあたしが
別人に見えてしょうがない。










「愛莉さま。少し休憩なさって下さい。
勉強ばかりというのも体に悪いですよ」



机に向かうあたしにそう言いながら
お茶ののったおぼんを持って
部屋に入ってきた井上さん。



「ありがとうございます。
…げっ…またこんなお洒落なカップ…」



机から離れたあたしはおぼんに
のっているティーカップを見て
ため息をついた。



井上さんがいつも用意してくれる
お茶は普段ならお客さん用の時にしか
出さないような皿付のカップ。



「そんなこと言っちゃダメですよ?
あっ!そんなことより雪が降ってますよ」



カーテンを開けて窓の外を眺めてる。



「明日のクリスマスイブも降るかも
しれませんね?」



雪…。



そっか、明日クリスマスイブだ。



「明日はご馳走作りますからね。
期待してて下さい」



そう言うと笑顔で部屋から出て行った。



あたしはカップを置いて窓に近よる。

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