Seven...YUKI
廊下に響いた声。
声のする方を見るとこっちに向かって
走ってくる高嶋。
「あの…話は聞きました。
宮さんの様子は?」
「まだお医者さんが見てるとこ」
「そう…ですか…」
滝さんから説明され、
そう言った高嶋は泣いてるあたしを見た。
そして香奈さんの腕の中からあたしを
自分の方にひきよせた。
「愛莉…泣くな…」
息をきらしながらあたしの頭を撫でる。
「泣くな…泣くなよ…」
…そんなこと…言われたって。
あたしを安心させようとしてるのか
必死にあやす高嶋とはよそに
どんどん涙が溢れるあたし。
だって…だって…不安で仕方がない…。
涙が止まらないんだもん…。
「あ…光輝…」
高嶋の腕の中でうつむき泣いてた
あたしは香奈さんのその言葉で
顔をあげた。
こっちに走ってくる光輝を見つけた瞬間、
あたしは高嶋の腕の中から抜け出し
光輝の胸に飛び込んだ。