Seven...YUKI
脳死ってもどかしい。
普通の死とは違う悲しみ。
病室に戻ったあたしは光輝のすぐ側に
イスを置いて座った。
光輝の手を握る。
脳は死んでるのに…いつもの光輝と
まったく変わらない。
「寝てるみたい…」
呼んだら起きてくれるかもしれない。
「光輝」
目を開けて。
目を覚まして。
それでも…当然目を開けない。
分かってることなのに…。
ガラッ
「…ここにいた」
開いたドアを見ると少し目が赤い
お兄さん。
「雪ちゃん、大丈夫?」
あたしはゆっくりうなずく。
「さっきは…ごめんね。
香奈が変なこと言っちゃって…」
「…香奈さんは?」