Seven...YUKI


「ちょっと取り乱してるから、
車呼んで帰らせた」



そう言いながらあたしの横にイスを
置いて座る。



「…光輝が倒れた時、
側にいたの香奈なんだ」



「…え?」



「だから香奈、『何も出来なかった』
『あたしのせいだ』って自分を責めてる」



あ…だからさっき…。



「えっ、でも…光輝がこうなったのは
香奈さんのせいじゃ…」



「もちろん、香奈のせいじゃない。
光輝がこうなったのは事故だし、
誰も香奈を責めたりしてない」



「…じゃあなんで?」



「香奈だって、自分のせいじゃない
ことは分かってる。
自分が何をしたって手遅れだったって
ことは…。
けど…香奈は光輝のことが大好きだから…
今まで面倒を見てきて、側で見守ってきた
光輝が自分の目の前でいきなり倒れた。
何も出来ないうちに光輝がこんな状態に
なってしまった。
それがつらいんだ…」



目の前で倒れて、そのままこの状態。



何をしても手遅れだって分かってても、
何も出来なかった自分が情けないって…
香奈さんは思ってる…。



「…香奈さんにとって…
光輝は特別だったんですもんね…」



香奈さんのことだもん…。



きっと光輝のこと、
本当の弟みたいに可愛がってた。

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