Seven...YUKI
いつも光輝の心配をして、
光輝が迷えば助け舟を出して。
そういう意味では…
あたしは香奈さんを超えられない。
そういう意味では…光輝の中で、
香奈さん以上の存在になることは
出来ない。
そういう意味では…
光輝にとって香奈さんは特別な存在。
あたしや、周りの人には分からない
深い絆が2人の間にはある。
「ごめんね…」
急に謝るお兄さん。
「なんで…謝るんですか?」
「香奈ばっかり取り乱して…
泣きじゃくって…あんな風になりたいのは
雪ちゃんの方なのに」
「え?」
「なりたいって言うのも変だけど…
香奈があんな風になったせいで雪ちゃん、
泣きたいのに我慢してるんじゃない?」
不安そうにそう言うお兄さんに
小さく笑った。
「大丈夫ですよ、我慢はしてませんから」
「…本当に?」
「正直言うと…
香奈さんみたいになれないんです」
「なれない…?」
あたしの言葉に首をひねるお兄さん。