Seven...YUKI


「や、や、山村雪!!??」



あたしの声にかぶさって叫んだその人。



あたしとぶつかったひょうしにしりもちを
ついたのか座り込んだままのその人は、
あたしを見つめて目を丸くしている。



…声が似てる。



声が…丈にそっくり。



けど、顔は全然違う。



「や、山村…雪?ほ、ほ、本物っっ!?」



「何の騒ぎだ…」



スタジオの奥から頭をかきながら
渡部さんが歩いてきた。



「うわぁ!お前何してんだっ。
資料ぶちまけてんじゃねぇーよっ」



あたしを見てまだぽかんと口を開けている
その人の頭を叩きながらそう言った。



「いでっ…す、すいませんっ!」



あわてて辺りに散らばる資料を
かき集めるその人。



いろんなところに散らばっている資料を
あたしと香奈さんも拾い集める。



「すいません。ありがとうございます」



近くを通るスタッフさんにも拾って
もらい、ぺこぺこと頭を下げるその人は
全部拾い集めるとあらためてあたしの
顔を見つめた。



「本物だ~…すげぇ~…」


< 584 / 591 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop