Seven...YUKI
「よろしくね、蒼島くん」
「あ…こちらこそっ!」
あわててあたしの手を両手で掴み、
お辞儀をする蒼島くん。
顔をあげてあたしと目が合うと、
くしゃっと笑った。
早歩きで廊下を歩き、部屋へと向かう。
やっと辿り着いた部屋の前で立ち止まり、
ネックレスをはずした。
チェーンをはずしてポッケに入れ、
残された指輪を左手の薬指にはめる。
ガラッ
ピッ…ピッ…ピッ…
部屋のドアを開けた瞬間、
いつもと変わらない音の世界。
いつもより優しい太陽の光が
部屋いっぱいに差し込んでいる。
あたしは目の前の変わらない姿に、
胸がしめつけられる。
いまだに慣れないあたし。
けど…それでもいい。
幸せの形は人それぞれ。
あたしの幸せの形はこれだった。