Seven...YUKI
その横で、声を立てず
うつむいて泣いているお父さん。
あたしはその様子を見て思い出した。
丈の日記に書いてあったこと。
≪父さんと母さんは俺を捨てたんだ≫
本当にそうなの?
≪俺は…望まれて生まれた
子供じゃないから≫
違う…違うよ丈。
丈は…間違いなく愛されてた。
確かに…遊び半分で
生まれた子供かもしれない。
けど…丈のお父さんとお母さんは
丈をなげやりに育ててはいなかった。
だって…どうでもいい子供に
こんなに涙を流せるわけない。
これが演技だとも思えない。
持ってきたダンボールに
丈の私物を大事そうに片付けている。
あれ?
もう帰るのかな…。
丈の荷物は元々少ないから早いのかも…。
ダンボールを持って悲しそうにドアへ
向かってきた。