Seven...YUKI
「これ…あなたのことばかりね?」
え?…。
「丈は…人を愛せるように
なってたんだな…」
「本当に…愛莉ちゃんだったかしら?」
「あっ…はい」
「あの子…すごい悪ガキだったのに…。
この日記からだと…あなたのおかげで
いい子に育ってたみたいね?」
「そんな…」
「わたし達には分かってたの。
丈には人を愛すること、
人から愛されることが大切だったって…
けど、あたしもパパも丈に
愛を伝えることができなかった…」
「愛…?」
「愛莉ちゃん。
君が、丈に愛を教えてくれたんだ…。
本当にありがとう」
そう言ってあたしの手を握るお父さん。
お母さんはハンカチを握り締めて
あたしに深々と礼をした。
そして荷物を持ち園を出て行った。
あたしはそれを黙って見つめた。
丈?
丈は幸せものだよ…。
丈は愛されてなかったって
言ってたけど…。