Seven...YUKI


走りながら発信機を全部壊し、
携帯を取り出した。



Plululu…



コールが鳴りだすのを確認すると
近くにあった病院の駐車場に隠れた。



…早く…早く出て。



『…はい。もしもし。桜園です』



久しぶりに聞く園長先生の声。



「…先生?園長先生?」



『愛莉ちゃん?どうしたんだ?』



優しい園長先生の声に涙が溢れてきた。



『愛莉ちゃん?』



「助けて…」



『どうした?』



「先生助けてっ!」



『落ち着いて…今どこにいる?』



あたしは泣いて上手くしゃべれない中、
今いる場所を教えた。



1時間くらいで来てくれた園長先生は、
あたしの姿を見ると何も言わず
近くの喫茶店に連れて行ってくれた。



そこでゆっくり、
今までのことを全部話した。



園長先生は表情を変えず、

< 85 / 591 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop