Seven...YUKI
そう思ってると、
「ほらっ」
見上げるとココアをあたしの目の前に
差し出してるさっきの人。
何?…どっか行ったんじゃ…。
「ん?ほらっ。やるよ」
あたしはおそるおそる缶を受け取った。
温かい…。
口元が緩んだのが自分でも分かる。
今のあたしには温かすぎるココア。
その人はあたしの目の前に
しゃがみこんで、
「あったけぇだろ…」
え?
「ここは寒いな…。
あったかいとこ行きたくないか?」
あったかいとこ…ここじゃない…。
「…知らないやつについてくのは嫌か?」
つまり…この人のこと?
「…でも、このままここにいたら
悪い奴にからまれる。確実にな」
…。
「どうせそうなるんならここは
俺を信じて俺ん家こいよ。な?」