大好きだから、キミの前では笑っていたい。

……だけど、私にはどうしてもそんな未来が見えなくて。



脳裏に浮かぶ架空の未来は、どれも儚く散って隣にいない彼を想う姿ばかりだった。



まるで予知夢でも見たかのような想像力の高さに、自分で自分に驚く。



せめて描く未来だけは理想像であってほしかった、とちいさくため息をこぼす。



なんだか虚しくなって、口の端を僅かに上げて息を吐くように笑った。



良くいえば現実をしっかり見れているということだけど、逆に言えば自分には可能性がないと打ち消しているようなものだった。



情けない私に、今日だけはいい夢を見せてもらえないだろうか。



夢の中だけでもいい。
ただの願望が詰まったものでいいから、空想の世界で彼と幸せになりたい。



そんな願いも、きっと叶わないのだろうけど。

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