大好きだから、キミの前では笑っていたい。

灯りもない静かな場所。



図書室を横切り、その靴箱前で足を止めた。



靴箱の横には、ちょうど階段から死角となる場所があるため、辛いことがあるときはよくここに訪れていた。



それに今は朝だから、余程の事がない限り人は来ない。



その場に腰を下ろし、膝に顔を埋める。



瞼を閉じれば、頬を伝う雫。
二日前までの夜の幸せはまるで夢のように、目の前が真っ暗になった。



思い返せば、昨日はいくら電話を待ってもかかってこなかった。ならば、と自ら通話を繋げようとしたものの相手が通話中ですぐに切れてしまった電話。



その時点で、気づくべきだったんだ。



口からこぼれる嗚咽。
三日前に想像した架空の未来が見事に的中して、胸が締め付けられるように苦しくなった。



「なんで……っ」



どうして、私じゃないの。



秋の隣は、いつだって私だったのに。



どうしていつもそばにいた私じゃなくて、たまにしか話さない、隣のクラスの愛夏ちゃんを選んだの?

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