大好きだから、キミの前では笑っていたい。
一日中上の空で過ごしていれば、気がつけばいつもの帰り道。
とぼとぼと歩く私の隣には、誰もいなかった。
それが妙に寂しくて、哀れに思えて、薄く嘲笑う。
──これからは、ずっとひとりなんだ。
今までだって一人で帰ることは当然のように何度もあったけれど、意味が違う。
あの頃は、秋と帰ることが当たり前で、不都合で帰れないことがあっても明日は帰れるかも、なんて希望を抱けた。
……でも、これからは違う。
登校も下校も、何もかもひとりなんだ。
改めて考えると、どれだけ大切なものを失ったのかがよくわかる。