大好きだから、キミの前では笑っていたい。
「……こんなんで、諦められるのかな」
足を止めて、足元に視線を誘導すれば、滲んでくる視界。
周囲から聞こえてくる男女の笑い声が、やけに鼓膜に響いた。
私だって……、そうなりたかった。
フィクションの世界のような恋をしたかった。
──私なんかが叶うはずない。
──私は彼の友達だから。
──友達と恋人の境界線を歩むことになっても、このままの関係を維持していたい。
……そういい子ぶっていたけれど、闇に染った心を覗けば彼にふさわしいのは自分だってうるさいくらいに叫んでる。
どこまでも悪魔思考で、本当に自分が嫌になる。
こんな私、消えちゃいたい──……。