大好きだから、キミの前では笑っていたい。

「一緒にいてすごく楽しくて、幸せで。……いつの間にか好きになってた。華音のその明るくて優しいところに、すごく惹かれて。……辛いのに無理して笑ってる姿を見ると守りたくもなって。本当に、華音の全部が好きだったよ」



「今更こんなこと言うの恥ずいけど」なんて彼ははにかみながら私への想いを口にする。



過去とはいえ、そんな風に想われていたことにどうしようもないくらい嬉しい気持ちになって。



枯れたはずの涙は、我慢できないと言わんばかりにポロポロと溢れ出した。



後悔は山のように積もっている。
でも、今はそれ以上に嬉しくて、幸せで仕方ない。



私はたしかに愛されていた。



その事実だけで、もう充分だった。



温かな雫を流したまま、拭うこともせずに私は彼を見つめる。