大好きだから、キミの前では笑っていたい。
こうなってしまうと何を話したらいいのかわからなくなるんだ。
下手に声をかけてもドギマギとした感じになるし、誰かにこの空気の変え方を教えてもらいたいくらい。
「あ、あのさ」
最後の一口を飲みこんだ彼が、その場に立ち上がり空気を変えるためか声を上げる。
「このあと……、ゲーセン行かね?」
「うん。行く」
私が返事をすると、控えめに喜びを見せる彼。
その優しい笑みに、胸がドキッと切なく音を立てる。
秋のことが、私は好きだ。
……だけど、それはあくまで一方通行。
秋からすれば、私は仲のいい女友達に過ぎなかった。
だからこうして時々、胸が痛くなるくらい、目頭が熱くなるくらい、苦しい気持ちになってしまうんだ。
秋の一言一言に、一喜一憂してしまう私。