大好きだから、キミの前では笑っていたい。
「楽しかったなー!」
「そうだね」
ゲームセンターで思う存分遊び尽くした私たちは、百貨店を出るといつもの別れ道までゆったりと歩いた。
──この時間がずっと続けばいいのに。
ゲームセンターの中で、何度そう願ったかわからない。
どうしたって叶わない願いはやっぱり儚く散り、私の心に寂しさを残す。
「じゃあ、また明日な」
「うん。またね」
お互いに手を振り、背を向け合ったあとは自分の進むべき道へ足を動かす。
大好きな人と一緒にいたあとの帰り道は、やけに心細い。
真冬には程遠い季節のはずなのに、身体の芯が一気に冷えていくのを感じる。
……汗、かいちゃったのかな。
冷静な頭はすぐにその答えを導き出す。