大好きだから、キミの前では笑っていたい。

いっぱい動いたもんなぁ、と妙に納得しながら私は駅構内を足早に移動した。



自宅に着くと、すぐにお風呂場へと直行する私。肌に張り付く感触が気持ち悪くて、サッパリしたかった私は迷いなく行き先をそこに決める。



温かな雨に打たれながら、今日のことを振り返った。



幸せな時間だったと思う。
どこをとっても。一つ一つが忘れられない思い出になった。



……でも、同時に切なくもあった。
こんな風に隣で笑い合えるのは友達だからであって、想いを伝えればなくなってしまうってことでもあるから。



もちろん、絶対にそうとは限らない。



結ばれる可能性だってないことはないし、仮に振られても彼が友達でいようとこの関係を維持し続けてくれれば、今までと何も変わらない可能性だって十分にある。

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