超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「もしそうなら、いまのうちに諦めろ。くるしむのはあんただ」
わたしは、空野さんのこと好きなんだ。
胸が熱い。くるしい。
もう、こんなにくるしい。
「言いたいのはそんだけ。颯の未来を潰すようなことだけは絶対にすんなよ」
胸が痛い。
ズキズキする。
こんな痛みは初めてで、わたしの力じゃどうにもできない。
「あんたはシンデレラでもなんでもない。村人でもない。世界が違うんだから」
言い返す言葉なんてない。
悔しいけどなにも言えなくて、拳を強く握りしめる。
「颯にも、ここには来ないように言っとくから、連絡もとるなよ」
空野さんがここに来なくなったら、本当に接点はなくなってしまう。
連絡もとれない。
想像しただけで、胸が張り裂けそうになる。
だけど、それが正しい選択だ。
そうしなくちゃいけない。
いままで夢を見ていたんだ。
空野さんのために、海成くんのために、ふたりを応援するファンの方のために。
終わらせなくてはいけない。