超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




「なにがあったんだよ」

「……べつに」

「そんな感じには見えないけど」



言いたくない。
海成に言ったらどうなるかわかったもんじゃない。

海成と恋バナなんてしたことないし、したくもない。




「……メッセージ送ったのに返信ないんだ」



けど、ひとりで抱えるには限界ですぐに話してしまった。



「そういうこと普通にあるだろ」

「いつもはすぐ来るんだよ!なにかあったのかな!?」

「振られたんじゃね?」

「おれ、女って言ってない!」

「それでバレてないつもりだったのか?電話とかしてたじゃん。お前わかりやすすぎ」



まじか……たしかに、海成の前で電話をしたことはある。

ほかの人にはバレてないよな?


気をつけないと。




「諦めろって。どうせ片想いだろ?」

「どうせってやめろ。たしかにそうだけど……」



いままで何回も「付き合って」って言ったけど流されてしまっている。

本気なのにな……。




「諦めたくはない」




< 133 / 400 >

この作品をシェア

pagetop