超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
こんな気持ちになったのは初めてなんだよ。
恥ずかしいけど、おれの初恋なんだよ。
簡単に諦められるわけない。
ゆきちゃんをほかの誰にもとられたくない。
おれだけのゆきちゃんにしたい。
「お前、アイドルだぞ?」
「その前にひとりの男だけど」
「諦めろ、お前のためだよ」
「いやだ」
「ブログに載せてたカフェだろ?もう行くな」
「いやだ、行く」
なんなら、本当にいますぐ行きたいくらい。
いますぐゆきちゃんに会いたい。
「行くなって。雪乃から返信ないんだろ?」
…………え?
「それが答えだろ。お前に興味ないんだって。さっさと目を覚ませ。お前はアイドルなんだよ。スーパーアイドルになるんだろ?」
ちょっと待って。
「いまがいちばん大事な時期なんだから、ほかのことに気をとられてる場合じゃ……」
「ちょっと待って!!」
海成が話している途中だけど、大きな声で止める。
思ったよりも大きい声で、楽屋内に反響した。