超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
すぐに追いかけるも、空野さんはわたしに気がつくと大きく手を振って停止しているタクシーに乗って行ってしまった。
渡された5000円札。
さすがにうちのお店のコーヒー1杯ではそんなに高くないよ。
『また来るね』
その言葉が本当なら、また来てくれたときに返そう。
申し訳なさすぎるもん。
でも、すごく楽しい人だったな。
元気もらったって言ってたけど、きっとわたしも同じかそれ以上に元気をもらった気がする。
「さぁ、がんばろう!」
気合いを入れてお店の中に戻る。
もうすぐディナータイムでお客様が入ってくるから。
今日はいつも以上にがんばれそうだ。
お母さんとお父さんも休憩を終えて、ディナータイムの準備を始める。
わたしもそれを手伝い、いつも通りだけどいつもより元気いっぱいで仕事をすることができた。