超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
思うところがたくさんある。
送られてきたのはaozoraの出番が終わってすぐの時間。
ちゃんと切り替えてパフォーマンスできた。
マネージャーも褒めてくれた。
だれにも気づかれていないはずなのに、どうしてゆきちゃんはいつもと違うことに気づくんだろうか。
いつも通りにしたけど、気持ちはどこかざわついていたままだった。
生放送見てくれたことも、少しの感情の機微に気づいてくれることも、うれしいしドキッとした。
だけど、連絡はこれきりって……どうゆうこと?
さっきから何回も電話をかけるけど、長いコール音が聞こえるだけ。
着拒はされていないみたいだけど、出てくれなきゃ変わらない。
コール音を聞きながら海成を見る。
海成はおれの視線に気づいて目を丸くしている。
「……どうした?」
「なんで……」
「うん……」
「……ゆきちゃんに名前で呼ばれてんの?」
「は……?」
キョトンとする海成の目の前に行く。
顔を近づけるといやそうに体を後ろにそって距離をとってくる。