超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



思うところがたくさんある。

送られてきたのはaozoraの出番が終わってすぐの時間。


ちゃんと切り替えてパフォーマンスできた。
マネージャーも褒めてくれた。

だれにも気づかれていないはずなのに、どうしてゆきちゃんはいつもと違うことに気づくんだろうか。


いつも通りにしたけど、気持ちはどこかざわついていたままだった。


生放送見てくれたことも、少しの感情の機微に気づいてくれることも、うれしいしドキッとした。


だけど、連絡はこれきりって……どうゆうこと?



さっきから何回も電話をかけるけど、長いコール音が聞こえるだけ。


着拒はされていないみたいだけど、出てくれなきゃ変わらない。



コール音を聞きながら海成を見る。


海成はおれの視線に気づいて目を丸くしている。




「……どうした?」

「なんで……」

「うん……」

「……ゆきちゃんに名前で呼ばれてんの?」

「は……?」



キョトンとする海成の目の前に行く。

顔を近づけるといやそうに体を後ろにそって距離をとってくる。




< 141 / 400 >

この作品をシェア

pagetop