超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
海成を見ると傷ついたような、泣きそうな顔をする。
なんでお前まで泣きそうな顔してるんだよ。
おれは泣いちゃってるけどさ。
「ソラ、アオ、入るぞ。送るからそろそろ帰って……なにしてんの?ふたりで向き合って泣いて……」
「俺は泣いてない!」
「おれは泣いてる……」
「まぁいいけどさ。ほら、帰るから車行くぞ」
泣いててもいいってか?
さすがマネージャー。おれはそんなとこ、きらいじゃない。
カバンを持ってマネージャーについて行き、車に乗ってマンションに送ってもらう。
高校卒業と同時に家を出た。
ちなみに海成も家を出て同じマンションに住んでいる。
仲良しかよってな。
マネージャーと車の中で簡単に明日のスケジュールを確認してから、車から降りてマンションに入る。
「じゃあな」
「いや、待て!話!」
「おれはむかついてる」
「わかったからさ、頼む。俺の部屋でいいから」
そして有無を言わせず、海成の部屋に連れていかれる。