超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




「上書き。でも足りない」

「っ……」


ちゅっと音を立てて何度も唇を落とす。

もう、空野さんの唇の感触しかわからない。


こんなに甘いとは思わなかった……。




「ね、もっとしていい?」

「もう……いっぱいいっぱいです」

「なにそれ。むしろうれしいからする」

「ちょっ……んっ……」



再び唇にキスをされる。

啄むようなキスに力が抜けていく。



「そら、のさ……んんっ」



肩を押しても離してくれない。

ちょっぴり強引なキスで、空野さんのイメージとは違うけど、新たな一面だ。



息をするタイミングもわからなくて、空野さんに体重を預ける。



離れた瞬間に酸素を思いきり吸い込んだ。




「かわいすぎる」

「……ここ、学校です」

「ドキドキするね」

「そうじゃないです!」



わたしの言いたいことがわかっているはずなのに、ニヤニヤ笑っている。


空野さんっていじわるだ。





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