超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「白川に確認したいことがある」
落ち着いてから、真っ直ぐな視線を向ける。
それだけでもうなにかわかった。
「場所、変えよう」
黒瀬くんの言葉に頷く。
場所を変えて話すということは、黒瀬くんも気をつかっていることがわかる。
なにを確認したいかが確信に変わる。
黒瀬くんの後ろをついて行き、中庭のほうへ出る。
外に出るのは声が響かないから助かる。
だれかに聞かれるわけにはいかないから。
なにを聞かれるかわかっていれば、答える内容もあらかじめ考えられる。
違うよ。
そう言ったらいい。
すぐに否定しよう。
「単刀直入に聞くけど、文化祭に来てたのってさっきのアイドルのソラでしょ?」
「違うよ」
やっぱりきた。
と思いながらすぐに否定の言葉を口にする。
「即答なのが逆に肯定してるみたいだな」
間か。
演技のときも言われた。
間が大事だって。
しまった……!