超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



だから、次の日からも颯くんの仕事が終わったあとに連絡を取り合った。

遅くまでがんばっているから、疲れてそんなに話せないときもあるけど少しでも会話がトントン進むとうれしかった。


リアルタイムで話せることが幸せに感じた。




『最近、ゆきちゃんと毎日こうして連絡とれてうれしい。だから仕事もめっちゃがんばれてる』

「わたしもうれしいです。颯くんのこと毎日テレビで見ますもん。雑誌も買っちゃいました」

『いいなぁ。おれはゆきちゃん見れないから……写真送ってよ』

「恥ずかしいのでいやです」

『むぅ……いますぐ会いに行きたい』

「明日も早いんですよね?ゆっくり休んでください」

『ゆきちゃんに会ったほうが、おれは癒されて元気になるけど』



わたしだって会いたいよ。

声を聞くだけじゃ、画面越しで見るだけじゃ、全然足りないんだよ。


でも、負担になりたくない。
がんばっている颯くんの邪魔をしたくない。


ほかの人にも気づかれてはいけない。


だからいまのままがいいはずだよね。




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