超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




「颯くん……すき」



思わずあふれる。

いま伝えたくなった。


だいすきなんだよ。
もう、言葉では伝えられないくらいに、すきが積もってるんだよ。




『え、ゆきちゃ……うわっ、いったー……ちょ、ゆきちゃん!いまのもっかい!』

「その前に、すごい音しましたけど大丈夫ですか?」

『ソファでだらっとしてたんだけど、びっくりして落ちた。けど、そんなことよりいまのきゅんってきた!!』

「それより、わたしは颯くんの体のほうが心配です」

『ほんと大丈夫。おれはそっちよりゆきちゃんの不意打ちのほうにやられた』



本当に大丈夫かな?
と、思いつつも自分で言ったセリフに恥ずかしくて熱くなる。


眠たくておかしくなったかな……。



『もっかい聞かせて』

「いっかいだけです……」

『お願い、雪乃』



また、ずるいことをする。

そうやって甘い響きで名前を呼ぶ。


颯くんはずるい。




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