超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
そんな日が何日も続いている。
まだ頭がボーっとする中、朝の情報番組を見ると颯くんが出ていた。
それだけで笑顔になれるけど、隣の福本舞ちゃんと楽し気に話していて胸がざわっとする。
テレビだもん。
それに颯くんだもん。
これくらい当然だけど、慣れないな……。
今日はいつもより頭がガンガンするけど、気合いで支度を済ませ学校に行った。
「雪乃、おはよう」
「……おはよ」
「あれ?なんか顔色悪くない?」
「大丈夫だよ……」
花音ちゃんに笑顔を向けたところでフラッとしたけど、肩を抱かれてなんとか踏ん張れた。
「そうは見えないけど」
「あ、黒瀬くん。おはよう」
「黒瀬、保健室まで連れてってあげてよ」
「いや、大丈夫だよ!ただの睡眠不足だし」
ちょっと無理してるかも。
でも、そのおかげで颯くんとたくさん話せるからいいんだ。
黒瀬くんにお礼を言ってから離れる。
支えがなくてももうふらつかない。
大丈夫だ。
だけど、一度ふらついたせいで黒瀬くんはすごく心配してくる。
「白川、大丈夫か?」
「もう心配しすぎだよ。元気いっぱいだもん」