超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



ことあるごとに聞いてきて、なぜだか近くにいる。

黒瀬くんってこんなに心配性なんだ。



体育でしたドッジボールも白熱したし、本当に大丈夫なんだけどな。



授業中はちょっとウトウトするときもあったけど、なんとか乗り越えて放課後。




「花音ちゃん、わたし帰るね。また明日」

「うん、また明日ね」


花音ちゃんに声をかけてから教室を出るけど、やっぱり近くには黒瀬くんがいる。



「あの、黒瀬くん」

「なに?」

「ほんと大丈夫だから」

「だったらいいよな」



信じていない様子でわたしの隣に並ぶ。

クールな黒瀬くんがここまで心配性とはびっくりだよ。



「あ、黒瀬、ちょっといいか」

「いや……」

「じゃあね、黒瀬くん」


黒瀬くんが声をかけられたタイミングで、わたしは小走りで昇降口まで行って靴を履き替え校門に向かう。

本当に元気なのに、心配されすぎると逆に申し訳なくなる。


少し歩くとスマホが鳴ったから、見ると颯くんだった。




この時間にめずらしい。

ドキドキしながら内容を確認しようとする。



「危ない!」

「よけて!!」

「え……?」





< 199 / 400 >

この作品をシェア

pagetop