超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
《お知らせ。
娘がピンチのため、本日は臨時休業します。
パパが行くから、待ってろよ!!》
……どういうことだ?
ゆきちゃんがピンチ?
え、だから既読つかないのか?
その場で立ち尽くす。
体が動かない。
でも、こんなふうにピンチと書けるくらいなら、そこまで大事でもないのか?
……いやいや!ピンチだぞ!?
店を臨時休業にするほどのピンチだぞ!?
よっぽどのことがあったに違いないだろ!!
動け、おれ。
とりあえず電話をかけて……いや、学校に行ってみるか?
その前にもっかいメッセージを……。
「空野くんかい?」
「っ……あ、田中さん」
突然後ろから声をかけられてびっくりして振り返ったら、おれより長く通う常連の田中さんだった。
田中さんなら知ってるかな?
「今日ってお店……」
「そうなんじゃよ。雪乃ちゃんが学校で倒れたって連絡があったみたいでな」
「え……それ、いつですか!?」
「さぁ、いつじゃったかのう……」