超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「いいから教えて!」
思わず大きな声を出してしまう。
それにはさすがに驚いたのか、黒瀬くんは戸惑いながらも『サッカーボールが頭に当たって倒れた』と教えてくれた。
サッカーボール!?
そんな硬くて大きな丸いものがゆきちゃんの頭に……!?
想像しただけでおれまでふらっとする。
かわいいゆきちゃんに当たるなんて、おれに当たればよかったのに。
「……痛かっただろうな。変わってあげたいな……あ、怪我は!?てか、いまもゆきちゃんのところにいるの!?」
『うるさ……電話口で大声やめてほしい』
「わかった!!それで、どうなの!?」
おれの言葉にため息が聞こえるけど、気にしている場合ではない。
ゆきちゃんのことしか気にならない。
『まずさ、ソラのせいじゃないの?』
「え……?」
やっぱり質問にすんなり答えてくれない黒瀬くんだけど、今回はすぐに言い返せるような内容じゃなかった。