超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
おれのせい……?
それって、どういう意味なんだろうか……。
『白川が最近、顔色悪かったの知ってる?授業中もあくびしたりボーっとしたり。いままでそんなことなかった。今日だって顔色悪くてふらついてた』
「…………」
ゆきちゃんとは文字と電話でのやりとりしかしていない。
だから、ゆきちゃんの体調やリアルタイムの様子をおれは知ることができない。
ずっと体調悪かったのかな?
もしかして、最近毎日のように連絡取り合えてたのも、ゆきちゃんがおれに合わせてくれていた?
……十分にありえる。
優しいゆきちゃんのことだ。
おれの時間に合わせて起きてくれたり、ちょっとの無理もしていたのかもしれない。
それなのに、おれはゆきちゃんと話せるのがうれしくて気にかけなかった。
下唇を噛みしめる。
『アイドルだかなんだか知らないけど、白川のこと幸せにできないなら俺がもらう。あんたはテレビ越しでキャーキャー言ってくれるやつを幸せにしとけ』