超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




病院に着いて、海成の言われた通りにしようと思い返す。

案内板を見て向かう場所を確認する。




「……あれ、空野くん……よね?」


後ろから聞き慣れた声で名前を呼ばれ勢いよく振り返る。



「春乃さん!」

「あら、どうしたの?空野くんもどこか……」

「ゆきちゃんは?ゆきちゃんは大丈夫ですか!?」



春乃さんの目の前まで行き、質問すると目を見開いて驚いたようにしてから、いつもの優しいゆきちゃんと同じ笑顔になった。

本当に春乃さんとゆきちゃんの笑顔はよく似ている。




「もしかして雪乃を心配して来てくれたの?雪乃は幸せ者ね」



お上品に笑った春乃さんは美人だ。
ゆきちゃんも同じ年になったらきっとこんな感じになるのだと、簡単に想像ができる。



「雪乃は大丈夫よ。ちょっと不便だけど……いま診察も終えてあとは帰るだけだから、空野くんも一緒に行きましょう?」

「はい」



春乃さんと話しながらゆきちゃんのもとへ行く。




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